「論語と算盤」渋沢栄一(1840-1931)

尊王攘夷の志士、幕臣、明治政府の官僚、実業人という4つの顔を持つ。実業人時代には約500の会社や、商工会議所・証券取引所などの設立に関わったため「日本資本主義の父」とも呼ばれる。本書は渋沢自身が書いたものではなく、各種講演の口述から90項目を選んで、テーマ別に編集したものである。

内容は、官職や軍隊を尊ぶ一方、実業は金銭を扱うから卑しいと蔑むのは間違えている。どちらも国を成り立たせるための尊い仕事である。各個人が自己の利益を追求し、互いに競争することは悪いことではない。天が示す正しくて道理のあること(=論語)と、企業が利潤を求めて活動すること(=算盤)は一致する。つまり、あらゆる企業活動は、広く社会の利益に資するものでなければいけない。

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