ロータブレータによる冠動脈石灰化病変の治療

ロータブレータは、カテーテル治療するチューブの先端に、ダイアモンドの細かい粒を付着させた小さなドリルが取り付けられたものです。ドリルが高速回転して石灰化した部分を削り取ります。冠動脈が硬くなっている（石灰化）病変の場合は、経皮的冠動脈インターベンション（PCI）治療を受ける場合、バルーンやステントだけでは治療がむずかしいことが多くあります。そういうときには、バルーンやステントを使って治療する前に、まずロータブレータという器具を使って硬くなった部分を削るという治療を行います。

これを聞くと、ロータブレータで健康な血管を傷つけるのではないかと考えがちですが、このドリルは柔らかいものは削れにくいことから、血管損傷を起こしにくいのが特徴です。また、「削りかす」が、その席の血管に詰めるのではないかとい考えてしまいますが、その「削りかす」は赤血球よりも小さくなるため、血管に詰まることはほとんどありません。ただ、この治療はどこの施設でも行えるものではありません。厚生労働省が認可した施設だけがロータブレータによる治療を実施することができます。