腫瘍マーカー

腫瘍というものは、体内の細胞の一部が突然変異して増殖し、しこりのようになった状態をいい、良性と悪性があります。悪性のものが一般的に”がん”と呼ばれています。体内にがんができると、その種類によっては健康な時にはほとんど見られない特殊な物質が作られ血液中に現れることがあります。この血液中に現れた物質を「腫瘍マーカー」といいます。そしてこの腫瘍マーカーのチェックをする検査が「腫瘍マーカー検査」です。

体内にがんが発生すると、通常変化しないはずの腫瘍マーカーの数値が異常値になります。ただし、腫瘍マーカーの結果が高値であるからといって、がんであるとは判断できません。あくまでひとつの判断材料であるとされています。必ずしもがん(悪性腫瘍)で高くなるわけではなく、良性腫瘍や膵炎、胆嚢炎、胆管炎などの炎症性疾患や、胆石症、肝炎、糖尿病、気管支炎、気管支拡張症、子宮内膜症など、がん以外の病気でも上昇することがあります。つまり、「がんであるときにしか産生されない物質」ではなく、がん以外の病気でも上昇することがあります。また、がんだとしてもどの臓器にできたか判断することまではできません。そのため、腫瘍マーカーは検査の補助的手段として、また治療効果の判定に用いられることが一般的です。

腫瘍マーカー検査は採血のみで実施できるため、体への負担が少なく手軽にできる検査です。そして、必要に応じて、CT検査や内視鏡検査などの他の検査と組み合わせて、がんの早期発見を目指します。

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