大動脈解離とは大動脈を構成する内膜、中膜、外膜のうち内膜が破れることによって中膜に血液が入り込む状態のことをいいます。 急性期には解離した血管の壁が薄くなり破裂を起こす可能性や解離によって主要臓器への血流が遮断される事による臓器虚血、心臓の周囲に血液が溜まる心タンポナーデなどの合併症があります。脳虚血は3~7%、上肢虚血は2~15%の程度でおこります。ほとんどの場合、何の前触れもなく、突然、胸や背中の激痛とともに起こります。
私の長年の知り合いで高校時代からの友人である、開業している医師は、1月2日夜、夕食後に突然の背部痛。本人は、これは整形外科の病気だと思い、知り合いの整形外科の先生に連絡して、診てもらいました。その先生は私の友人の手首の脈の左右差に気が付いて、すぐにこれは大動脈解離の上肢虚血と判断されました。すばらしい診断力です。そして、すぐに心臓外科医の緊急手術が必要だと考え、近くの総合医療センターの心臓外科に連絡して、夜中に緊急手術してもらい、友人の一命が救われました。見事な連携です。
この整形外科の先生の的確そして迅速な初期診断がなければ、大変なことになっていたと思います。私の友人は幸運でした。
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